第237話 妖魔、魔物の?(7)

〈ピュー!〉


〈ペチャ!〉


〈ペチャ、ペチャ〉


 と、刹那──!


 覇王妃さまと拍殿との、最初の対峙、争いの時のように、己の身を挺して盾──!


 だから籍は、物の怪健司の熱い。〇子のような酸性魔弾を、己の身体で数か所受け、浴びてしまうから。異世界ファンタジーなお約束、テンプレ通りの『あれ~!』、アレのお色気シーンになるから。彼の着衣をしている制服の全面が、『ジュ、ジュ、ジュゥ~』と音を。卑猥、いびつな音を立て溶け始めるのと同時に


「うわぁ、あああっ!」、


「お、俺の服──! 制服の全面が溶け始めたぁあああっ! 熱い! 熱いよぉおおおっ!」と。


 籍は悲痛、苦痛な表情。己の顔を歪めながら声を大にして叫ぶのだ。


「お前達──!」、


「羽も、胡亥も気をつけろ。あの健司の放つ、妖怪ヌルヌル液は、わりと熱い。熱いから気をつけろぉおおおっ!」、


「……でも、熱いのを少し我慢。耐え凌ぎさえすれば。これといった害! 危害はないようだから大丈夫だぞ! 二人ともぉおおおっ!」と。


 籍は、自分の置かれている立場、というか? 今の自分の状態、様子、容姿……。大変に妖艶、官能的と言った方が良い。説明をした方が良いのか? 理解に大変に困る。破廉恥極まりない。情けない様子──。彼の前面のみ。腹部の下にある大事な物、聖剣を曝け出したままの状態で胸を張り。己の妃達二人へと、物の怪健司の酸性魔弾に気をつけるようにと説明をするのだが。


「あっ! あっ、ははは……」、


「分ったよ。籍」と。


 覇王妃さまは、籍の只今の情けない容姿、様子。全面だけ裸体の容姿を凝視ししながら苦笑を浮かべ漏らす。





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