第234話 妖魔、魔物の?(4)

「健司がエッチでスケベだから。あんな異形な物へと変化したのではないですか?」と


 胡亥姫は苦笑を浮かべながら籍へと告げる。まあ、告げるからね。彼女の彼氏、主さまは、超がつくほど不機嫌。不機嫌極まりない様子──。


 そう籍は、自身の顔をお猿さんの様に真っ赤に染め、『キイキイ』と煩く、地団駄を踏み。


「男なら誰でもスケベでエッチだ!」、


「だからスケベなのは、健司に限ってではない」と。


 憤慨しながら胡亥姫さまへと不満を放つ。放つのだが。


「ほら、見てください。健司の様子を」と。


 胡亥姫さまが口にだせば直ぐに。


「覇王、よけて~」と。


 彼女は、今度は、覇王妃さまへと、何かから逃げる。避けるようにと告げる。


「「えっ?」」と。


 覇王妃さまと籍は仲良く。夫婦水入らずで、声を合わせ、驚嘆を漏らす。漏らせば同時に。


〈ジュッ〉と、地面から鈍い音──。


 何かしら溶ける。消えてなくなる音がしたと同時に。


「あぶねぇ~」、


「危ない奴だな、アイツ」と。


 覇王妃さまから声──。


 それも彼女は、少々不機嫌極まりない声色を漏らしながら不満を漏らすのだが。


 胡亥姫さまの言う通り。告げる通りで、健司少年は悪しき思い。自身の友人である籍が、自身の身近にいる美少女、美女お姉さま。そして麗しい淑女さま達を次から次へと毒牙にかけ己の物、所有物にしていく様子、様が、日頃から気に入らない。気に入らないでいて、嫉妬心を募らせていたのだ。


 そこに向けて、今回の覇王妃さまの登場……。健司自身も一目惚れした小麦色のマーメイドさまが、自身の友人である籍の妻だと平然と告げてくるし。そんな女垂らし、遊び人である籍のことを、自身の憧れである麗しい少女。学園の姫さまが、籍の側室、二号さまの立場で良いと平然と告げる上に。二人はもう既に深い仲のようだから彼は、健司少年はとうとう堪忍袋の緒が切れ。胡亥姫さまが発する悪しき力、魔力吸い込み、魔物化へと変化──。


 そして覇王妃さまへと、何かしら液体! 溶解液を『ピュ! ピュ!』と卑猥、ネバネバしているように傍から見える。触手から液体の弾! 砲弾を放つ!


 それも連続で放ち始めたのだ!




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