第229話 秦を滅ぼした二人の女……(14)

 思春期の少年の性への欲望心からくる恨みつもり。憎悪と言う奴は、一度黒き炎、悪しき想いで燃え上がる。それも? 魔の者である胡亥さまの魔力を経由、介して黒き闇は燃え盛り増幅するものだから。思春期の健司少年の身体全体から黒き闇が霧、煙のように湧き出て彼を。健司少年を覆い隠し始めるから。その場に座り込み、「うぅ、ううう」と、苦しそうに声を漏らしながら俯く、健司少年の身体が徐々に、段々にと、大きく──。


 そう、漆黒色の闇と共に巨大化をする。始めだすから。


「な、何だぁあああっ! これはぁあああっ⁉」と。


 籍が声を大にして叫び、立ち上がり。巨大化していく漆黒色の闇に追われた健司少年───。異形な物へと進化する健司少年から慌てて離れた籍に続くように。今迄、美しい二人の戦妃の闘技、武舞に魅入り。酔いしれながら観覧していた。一般の通行人達も、巨大化していく健司少年の異業の姿……。



 そう、まるで、クトゥルフ神話に出てくるような、漆黒色のアメーバ、スライム。全身は目玉が沢山付属をしているような魔物、モンスター、ボスへと進化を始めだす様子を、覇王妃さまと胡亥姫さまとの争いを観戦していた観客達皆が、己の目で確認をした。となれば?






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