第228話 秦を滅ぼした二人の女……(13)
そう、覇王妃さまを古、太古の英霊から。女神、魔王、ダークエルフの覇王妃として蘇らせた中華四千年以上も歴史がある国の闇、影を支配してきた魔の者、バンパイやキョンシーと、ついでにサキュバスでもある彼女──。【始皇帝】、政の姫巫女、胡亥姫さまが、真近くにいるにも関わらず憎悪を募らせ。
「籍~! 籍~! お前が憎い~! 憎い~!」、
「だから殺してやる~!」と、呼ぶものだから。
「い、いつもの。いつもの健司。健司じゃない……。ど、どうしたんだ? 健司? しっかりしろ! しっかりするんだ!」と。
籍は、いつもと様子が違う。己の友人。それも? 小学校からの腐れ縁と、言って良いほど仲の良い友人の、いつもと違う様子に驚愕、だけではなく。
今迄仁王立ちをしながら、己の両手を組み、自身の妃二人への、今晩の折檻は何にするか? しようか? と、思案をするのはやめて、慌ててその場に座り込み。
「うっ、ううう……」と、頷きながら吠えるように声を漏らす健司少年の肩に手をかけ。彼の様子を窺いながら声をかける。
「健司! 健司! 大丈夫か? 大丈夫なのか?」と、声をかけながら。
でもね、いくら籍が健司少年へと声を優しくかけようが。
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