第225話 秦を滅ぼした二人の女……(10)

 だって彼の、健司少年の心を読むも何も、籍は先程から二人の艶やか、麗しい戦姫さま御二人のことを折檻! 百叩きの刑にすると、鼻息荒く告げる。漏らしているのだから。彼が、籍が、気が変わらない限りは、手加減無しに実行をするに決まっている訳だから。健司少年の心の中を魔法、妖力で覗く、覗き込むようなことはしないし。今迄の話し。ストーリーを思い出し、起こせばわかる通りだ。


 女神、天女、精霊、妖魔、魔王、覇王を全部備える覇王妃さまとは違い。籍は、覇王項羽の転生者と言うだけで、只の人なのだよ。今のところはね。だから籍の母である楚の武信君こと。ダークエルフ変化、万物の頂点に立つ神化、女神化できる梁さまとは違うのだ。籍の方はね。


 まあ、そう言う訳、理由もあるから籍は、健司少年へと『可笑しなことを申すな』と、告げた訳だし。健司少年の方もあくまでも冗談交じりで、籍へと告げた訳だから。


「ええなぁ~。籍は~。御二人の……。麗しい御二人の生尻を見る。触れる。叩く事ができるから」と。


 健司少年は籍のことを羨望な眼差しで見詰めながら告げる。




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