第224話 秦を滅ぼした二人の女……(9)
「ま、まさか、胡亥さんもかぁ、籍?」と。
また健司少年は、恐る恐ると籍に、ではなく。悲痛な表情──。それも? 今にも泣き出してしまうのではないか? と、遠目から健司少年を凝視しても思うくらい。彼は、自身の、己の瞳を薄く濡らしている。いる様子で、籍へと心の中で。
「(頼むから籍~。胡亥さんのお尻だけは、生尻で叩かないでくれ。彼女が可哀想だ……。それに? 日本とC国の国際問題へと発展したら大変な事になる。なるから……。やめてくれよ。籍。お願いだ……と、言うか。頼むから俺達のアイドル。秦学園の姫さま四天王の一角である。清い胡亥さんの生尻を、籍一人が見て、確認して、独占をしないでくれぇえええっ! お願いだぁあああっ! 籍~!)」と。
健司少年は、心の中で願うのだが。
「嫌だ! 許さない! 胡亥の奴も、平然と俺の下知を無視したのだから。生尻で百叩きの刑だ!」と。
籍は、健司少年の心の中を、魔法スキルで読み取ったのか? こんな無情、無慈悲な台詞を『フン!』、『フン! フン!』と、鼻息荒く告げてくる。
「……えっ? な、何で籍は? 俺の心の中が読めたのだ?」、
「も、もしかして、籍は? 魔法使い……。いや、魔王なのか?」と。
健司少年は、自身が脳裏で想い描いた台詞、言葉を籍があっさり。いとも簡単に察して告げてくるから。
彼は、自身の顔色を変え、畏怖しながら。籍へと告げ、尋ね、問う。
すると籍は、直ぐに自身の口を開き。
「あのなぁ~。健司~? 訳解らないことを言わないでくれるか~?」と。
籍は、こんな感じ、呆れた声音で、健司少年の質問に対して答えるだけなのだ。
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