第222話 秦を滅ぼした二人の女……(7)
自身の横で苛立ちを隠せない表情。己の腕を組み、仁王立ちをしている籍へと健司少年は、今更の如くこんな台詞を告げ問う。
「ああ、怒っている。怒っているよ。俺は……」と。
籍は健司少年へと説明する。するのだが。彼の、籍の、健司少年への説明は、これで終わりではない。二人の戦姫達の主である籍自身は、不満をかなり募らせ、腹立たせている状態だから。
「後で二人。二人には折檻! 折檻をおこなう予定だ!」と。
籍は真っ赤な顔をしながら健司少年へと説明をするのだよ。
だからそれを聞いた健司少年は、「(籍は、小麦色のマーメイド様と胡亥さんに対して、どんな折檻をして、しながら叱るのだろうか?)」と、ふと疑問に思うのと、好奇心が湧いてくるから。
「籍~? 御二人に対してお前は、どんな折檻をするのだ?」と、問いかけるのだ。
「……ん? 俺?」
「ああ、そうだよ。俺は今、籍に問いかけたのだから。お前しかいないだろう。籍」と。
健司少年は、苦笑を浮かべ漏らしながら籍へと、再度問いかける。彼自身は興味津々に聞かなければいいのにと、遠目からこの物々しい様子や。それを怪訝しい表情で凝視しながら健司少年と会話を続ける籍を見て確認しながら思うのだ。聞けば多分? 健司少年は、己の肩を落として、落胆をすること間違いないと思われるから。やめた方がいいと思うのだが。
健司少年の友人である籍は、己の口を開いて。
「お尻百叩きの刑だな!」と。
彼は、何も気にすることもなくスラリと告げる。健司少年へと。それも彼自身? 麗しいレディ、お嬢さま。健司少年いわく小麦色のマーメイドさまのお尻を叩くことに関して、何の躊躇いもなく。罪悪感もない状態、様子でスラリと告げるものだから。
「えぇ、えええっ! そ、そんなことを~。そんな酷いことをお前はぁあああっ! 籍はぁあああっ! するのかぁあああっ⁉ あの、麗しく美しい御二人へとぉおおおっ⁉」
まあ、健司少年は、こんな感じで驚愕しながら籍へとまた問う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます