第216話 秦を滅ぼした二人の女……(1)

「はぁい~!」、


「はぁあああっ!」と。


 大変に威勢! 勇気凛々な甲高い声音をあげるよ。胡亥姫さま。


 だから覇王妃さまは、ではなくて。彼女の彼が。


「健司──! 逃げろぉおおおっ! 早く──!」、


「でないと? 死んでしまうぞぉおおおっ! そんなところにいたらぁあああっ!」と。


 声を大にして叫ぶよ。自身のツレ、級友、友人である健司。健司少年へといつまでも、そこ! その場! 胡亥姫さまが懐……。自身の持つ、秦学園既定の大きなカバンから出した。剣先の刃がキラリと輝く偃月刀を、「はい!」、「はぁ、あああっ!」と、威勢のある掛け声をあげながら。中華、香港のカンフーシネマのヒロイン達と違わぬ剣技! 刀舞! を振るい。蝶のように舞に、舞い始めたから。そこにいては危ない。……どころではない。健司少年の身が危うくなるから。籍は自身の腕と手を使用、使いながら。


「健司──! 健司──! 早く! 早く! その場から逃げろぉおおおっ!」と、ジェスチャーしながら叫び急かすのだ。




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