第214話 覇王妃さまのお迎え?(25)

「何で籍ばかりがモテて、俺には彼女が一人も。一人もいない孤独な青春時代……。高校、学園生活を送らないといけないのだ……(シクシク)」と。


 健司少年はその場で落胆、泣き崩れるのだよ。と、だけでは彼は終わらない。自身の涙、鼻水で、己の顔をくしゃくしゃと汚しながら。覇王妃さまから胡亥姫様へと、自身の視線を変えて。


「こ、胡亥さん……。姫~。お姫様~。頼むから~。籍みたいな、気の多いい男ではなくて、女性……。彼女に一途な俺と付き合って! お付き合いをしてください! お願いします!」と。


 健司少年は泣き崩れ行為をやめて直ぐに。すぐさま、正座へと、己の状態を直し、正して、『平に~! 平に~!』と、何度も土下座! 平伏しながら胡亥姫さまへと。


「胡亥さん、俺と付き合ってください!」


「お願い! お願い!」


「お願いしますよ~! 胡亥さん~!」


「俺は籍とは違い。貴女に~! 貴女に一途~! 一途ですから~! お願いしますよ~! 胡亥姫さま~!」と。


 健司少年は自身の涙と頬を濡らし。鼻水まで滝のように流しながら土下座と嘆願を繰り返す。と、なれば? 日頃から健司少年に対しては手厳しい姿勢をとり続けてきた胡亥姫さま自身も、今は乙女、少女、女子(おなご)だから。異性の涙には弱い。弱いから、ついついと情が入るし。流されてしまう。


 そう、させて、やらしてくれない彼女に対して、土下座をすれば彼女から『致し方がない。ないですね……』と、相手。男に対して都合に良い台詞を漏らし告げてしまうのと同じ心境に陥るみたいな感じに……。







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る