第203話 覇王妃さまのお迎え?(15)
まあ、そんな籍と、いうか? 自身の友人から熱い眼差し、だけではないね?
そう、自身の彼女、妃の一人だとはっきりと言われた。告げられた。やっと言ってもらえた胡亥姫さまは、もうそれは? それは? 大変に満足! 満足だから。大変にお幸せそうな顔、様子……。
自身の雪のような、血の気のない白い肌を珍しく桜色に染め、己の少々吊り上がった猫目が今日は、御犬さま、ヨークシャーテリアやマルチーズのように垂れさがり。トロリとさせ、瞳をウルウルと潤ませながら。大変に嬉しそうなのだ。
まあ、そんな二人の熱い視線と声援? を、籍は、己の背で受けながら。
「ちょっと待ったぁあああっ! 待ってくれよぉおおおっ!」と。
乱闘騒ぎ、シーンを起こしている覇王妃さまと、ヤンキーの兄ちゃん達、不良グループ達へと、声を大にして叫びながら声をかけるのだ。
「ん? 誰だ?」
「お前誰?」
「部外者は、あっちへ行っていろ。痛い目に遭いたくなければ……」と。
如何にも、それらしい、というか? とってつけた。用意をしていた台詞のように彼等。ヤンキーの兄ちゃん達や不良少年達は、覇王妃さまの優艶なお肌に触る……。
そう、いくら覇王妃さまが、殴り、蹴ろうが。彼等はここぞとばかり。この世の者とは思えない程美しく、麗しく、妖艶な覇王、魔王さまの、官能的なお尻や胸を触ることに関して無我夢中……。
まるでゾンビ、屍の如く、何度も起きる。立ち上がってみせて、覇王妃さまの肢体を思春期の少年らしくタッチをしては、「デッ、ヘヘへ……」と、苦笑を浮かべている状態だから。自分達に声をかけてきた籍の容姿と様子を確認していない状態なのだ。
だから彼等は、籍へと平然と「シッ、シッ、シッ あっちへ行っていろ、お前」と。如何にも悪人、悪者らしい台詞、振る舞いを覇王籍へと告げる。呟くものだから。
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