第189話 絶体絶命!(17)

 でも梁さまは、自分自身も余り人、他人のことを言える立場でない禁断の恋の最中だから。


「(まあ、あの件は、私自身も他人のことを言える立場でないから。まあ、良いか……)」と思い。己の心の中に閉まって、蓋も閉め、チャックまでして封じると。今度は覇王妃の容姿もマジマジと見て観察をしては。


「(一体この娘(こ)はどこの国の娘さんなのかしら? 大変に変わった色の肌……。グレイ色と褐色の色を足して一にしたような肌の色……)」と。


 梁さまは思ったところである物に注目──。


「…………」


 まあ、こんな感じで沈黙……。


 でも直ぐに自身の口を開いて。


「あ、あなたぁあああっ! な、何? その大きな笹耳はぁあああっ?」と。


 絶叫をあげながら覇王妃さまに問うのだ。


「……ん? 何、その耳? と母上様が儂に驚愕しながら問いかけても。母上様も。儂の母上様だから同じような大きな耳がついているぞ」


「えっ? 嘘ぉっ⁉」


「嘘ではない本当だ。母上様……。そこにある。落ちている鏡をで、自分自身の容姿を映し凝視すれば分る通りだよ。母上……」と。


 梁さまに自身の両方左右につく、日本の男達……。彼女の想い人、主である籍も含めて、皆が大好きで。可愛い異性について、付属をしていればいいなと思う。エルフな耳。笹耳を見て、確認、驚嘆を漏らしながら問われた覇王妃さまのだが。自分の母である梁さまにもある。左右に可愛く付属をしているから見て確認をすればいいと説明をされて。


「う、嘘……」と、言葉を漏らしながら。落ちている鏡を拾い。自身の妖艶、優艶な容姿であるダークエルフの容姿、精霊化を見て確認をした梁さまの口からは、


「な、何ぃっ⁉ こ、これわぁあああっ⁉」と、また驚愕が放たれる。


 それもまた、家の外まで聞こえる程の驚愕だから。


「う~ん、田中さんの家はどうしたのかしら?」


「本当に今日は騒がしい。騒がしいですね」


「煩い! 煩いです!」


「ええ、本当に騒がしくて、近所迷惑な家。家庭ですね。田中さん家は……」と。


 御近所のマダム達から不満、不快感からくる井戸端会議のヒソヒソ話が、まだ続く田中家の外だったのだ。



 ◇◇◇◇◇

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