第185話 絶体絶命!(14)

 そして「できるかな?」と、母が娘に問うように優しく呟き、囁けば。やっと彼女、覇王妃さまは、己の美しい顔をあげる。あげるのだ。あげれば彼女は、「うん」と、明るい声音で頷き「できるよ」とも、梁さまへと告げる。


「そうか~。じゃ、羽ちゃん! 今から速攻! 直ぐに! そこの窓を開けて、お願い!」と、慌ただしく覇王妃さまへと告げる。


「了解! 梁かいした! 母上様……」と、覇王妃さまが、梁さまへと回答、言葉を返せば。まさに、加速〇置なのだ!


〈シュン~!〉と。


 覇王妃さまは、目にも止まらぬ速ささで視界から消える。と、同時に『ガチャン!』、『ガラリ』と、窓、枠、サッシがずれて開くような音が聞こえてきたのだ。

「母上様~。オッケ~! オッケィ~だよ! ゴォだー!」と。


 覇王妃さまのこれまた近所迷惑になるような声を大にした『オッケ~』と、『ゴォ~』の合図、サインが梁さまへと告げられる。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る