第184話 絶体絶命!(13)
だって彼女、梁さまは、覇王妃さまが撃つ。放った。妖魔弾とでも名付けようか? その妖魔弾を覇王妃さまに言われた。告げられた通りに、己の気を、妖力、魔力を最大限に『はぁあああ~』、『うぉ、おおお~!』と、大きな声、奇声を、恥じらいなく。近所迷惑になるような声を大にして叫び、高めて、覇王妃さまが撃った妖魔弾をガード。受け止めてみせたのだが。やはり元祖覇王の英霊さま。精霊、戦女神さまが撃つ、放った妖魔弾はやはり『ズッシリ』と重いのだ。
だから覇王妃さまにこの妖魔弾を素早く処理する案を授けようとしているのだが。
彼女、覇王妃さまは、イジイジと、『いいもん~。いいもんだ~』と、拗ね、いじけて、いじけ虫になり。俯いている状態だから。梁さまは、覇王妃さま、己の娘だと告げてくる。ダークエルフの少女へと優しく。囁くように『羽ちゃん』と、呼んだのだ。母が己の娘を優しく呼ぶように。
「……ん? 何? 母上?」
「あのさ? 羽ちゃん?」
「うん、何かな~? 母上~。母上様~?」と。
まあ、こんな感じだ。梁さまが覇王妃さまへの呼び方を変更しただけで、彼女はあっさりと上を向き、満面の笑み──。笑みを浮かべている覇王妃さまに梁さまは、「あのさ、羽ちゃん? そこの部屋の窓……。窓を今直ぐ素早く。速攻で開けてくれるかな?」と、嘆願。
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