第183話 絶体絶命!(12)
それもさ? 今迄垂れ下がっていた可愛い大きな笹耳を『ピン!』と、立たす。そびえ立たせながら。
「貴方~! 貴女~!」と、覇王妃さまを梁さまは呼ぶ。呼ぶのだが。当の本人である覇王妃さまは、己の肩と大きく可愛い笹耳を垂れ落としたままだから反応がない。と、いうか? 覇王妃さまは梁さまに「貴方!」、「貴女?」と呼ばれて。呼ばれているのが、自分自身なのだと気が付いていない。悟っていないのだ。
だから覇王妃さまは、梁さまに優しく声をかけられても自分だと思っていない。いないから。相変わらず彼女は『シュン』、『シュン』としたまま、俯いた状態なのだ。
だからと、いうか? 梁さま自身が、それに? そのことに悟っているのか、どうだかは、わからない。理解ができないが。彼女、梁さまは、己の唇を開いて。
「羽ちゃん~。羽ちゃん~。項羽ちゃん~?」と、優しく声をかける。「うぐ、ぐぐ、ぐぅ、つ……」と、己の奥歯を力強く噛みしめる音、声音も漏らしながら。
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