第179話 絶体絶命!(8)

 そう彼女、覇王妃さまの肢体から漆黒色のオーラ、というよりも? 漆黒色の霧、ボヤのような物が湧き、溢れ出す。醸し出すと。覇王妃さまが放った妖力、魔力弾よりも素早く梁さまの肢体を黒く。漆黒色に覆い尽くしていく。しまうのだよ。と、同時に覇王妃さまは、また自身の口を開いて。


「母上様~。自身の気を最大限まで高めてください……。高め終えたらすぐに、『覇王化』と、念を込めてください。お願いします」と、声を大にして叫ぶと。


「い、意味がわからない、わからないわよ。貴女~。貴女は一体誰~? 誰なの~? 家の籍と同じ名前~。籍とは言ったどう言う事~。事なの~。貴女~。貴女は~。それに私には~。息子はいるけれど~。娘などいない~。いないわよ~。貴女~」と。


 梁さまは覇王妃さま、項羽……。別の世界の項籍、山田籍だと告げられて困惑、動揺を隠せない。と、いうか? している。完全なパニック状態へと陥っているのだ。


 それでも覇王妃さまは、


「母上~。儂自身は、もう人の貴女の娘である。項籍~。山田籍の話しを聞いて~。信用をしてください~。母上~。母上さま~」と。


 覇王妃さまは絶叫に近い声音で梁さまへと嘆願……。


 自身の娘の話しを聞いて、信用して欲しいと、力強く叫び、嘆願をするのだ。


 すると梁さまは、強張った。怪訝しい表情を、緩やか、穏やかな表情へと変化をさせる。と、同時に?



「はぁ、あああ~!」と、スーパーサ〇ヤ人ではないが。己の気を最大限まで一気、瞬時に高める。高めると。


 覇王妃さまが放った暗黒の闇が理宇さまの口や耳、鼻、目と毛穴……。彼女の穴と言う穴から。侵入を始める。始めるのを覇王妃さまは「うん」、『ウム』と、頷きながら確認をすると。

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