第180話 絶体絶命!(9)

「……よう~し。なった。やはり母上さまも楚人、楚の血を引く者だからなったぁあああ~! 変化! 変化したぞ~! ダークエルフに~!」と。覇王妃さまは歓喜しながら叫ぶと──。


「母上さま~。儂が撃った。放った。妖力、魔力弾を。そのまま打ち返し弾いてください」と、嘆願をするのだ。


 でも梁さまは、覇王妃さまの願い。嘆願と指示を聞いても。


「えぇ、えええ~。ちょ、ちょっと、ちょっと待ってよ。貴女。貴女~」と。


 梁さまは絶叫を漏らしながら声をかけてくるから。覇王妃さまは、「どうしたのですか、母上?」と、尋ねると。


「あ、貴女~。い、今、私が受けようとしている。試みている。魔力弾。魔力弾を私がもしも弾き返して。それが壁に激突したらどうなるの?」


 梁さまは覇王妃さまへと、己の顔色を変えながら問いかける。問いかけるのだが。


「ん? どうなるって、母上さま……。只屋敷の壁に大きな穴が。空洞が開く。開くだけですが。それがどうかしたのですか?」と。





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