第173話 絶体絶命!(2)

 そう、彼女、覇王妃さまは、某アニメや漫画のワンシーンのような腰を低く落として身構えるポーズ──。己の胎内にある妖力、魔力なのかは、わからない。理解ができない謎の力を体内で、「うぉ、おおお~!」、「うりゃ、あああ~!」、「うわぁ、やぁ、あああ~!」と、声を大にして叫びながら──。


 もうそれこそ? 田中家の屋敷の外──。道、道路を歩く歩行者達、老若男女の者達が声を揃えて。


「な、何?」


「な、何だ?」


「今の声……」


「女性の声音での奇声?」


「絶叫?」


「今の叫びは何だ?」


「何なのだ?」


「何処からした?」


「何処から聞こえてきた?」


「……聞こえてきたのだろうか?」と、大騒ぎをしながら。左右、上下と通行人達が、己の頭や瞳を動かす程の雄叫びをあげて、覇王妃さまは、自分自身の気を高めて──。


〈ボヤン、ボヤン〉と。


 彼女の美しく。妖艶、官能的な身体が神々しく光り輝き始めれば。覇王妃さまの梁さまへと向けられた両手の重なりは、青白く光り輝き始め、大きな玉──球を作り。描き始めるのだ。


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