第170話 伯父と甥? 伯母と姪? それとも親子喧嘩?(20)

 でもね、彼女、胡亥姫さまは、あの悪夢のような日から睡眠……熟睡と言う奴が、彼女はできない。できないでいるのだ。


 あの、嫌らしく。おげれつなカラーなエッチな書物のことが気になる。気になるのだ。


 毎晩己の主だと思っている籍が、己の真っ白……。



 もう覇王妃さまに過去の面影がない程破壊をされた。されてしまった純白のベッドの上で横になりながら。


「デッ、ヘヘへ~。ええ、女~。女達ばかりの裸体。裸に下着姿だから。これは堪らん。堪らんよ~。うう~、いかん! いかん! このままではいあかん! ピロリン! と、脳内ベルが鳴る。鳴るようになるから。これはいかん!」と。


 胡亥姫さまの主が嘆いていると思うと、彼女は嫉妬心で眠れない。眠れないのだ。


 まあ、それぐらい籍のことが好きというか?


 籍自身が、テレビの茶の間を賑わいさすアイドル達と変わらぬ程の器量良しだから致し方がないかも知れない。


 だからあの日を境に胡亥姫さまは、己の主へといらぬこと、お節介をした健司少年のことを殺傷、殺害、冥土に熨斗を付けて送ってやりたい程憎い。憎たらしくて仕方がない。ないのだよ。


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