第169話 伯父と甥? 伯母と姪? それとも親子喧嘩?(19)

 と、でも言いたいような顔──。


 それも胡亥姫さまは、大変に恐ろしい形相と。ヒス! ヒステリック! 嫉妬に狂う女性の顔を交互にしながら。健司少年を遠目から睨む。睨みつけていた。


 彼女の周り。胡亥姫さまの仲の良い気の触れた友人達が。


「胡ちゃん、どうしたの?」


「姫~、何か、何かあった?」


「胡は先程から、大変に不満、不快感を募らせ、御機嫌斜めな顔、様子をしているようだけれど……。何か? 何かあったの? 胡?」と。


 秦学園の四大、四天王の麗しいお姫さまに集いし。御学友のJKの少女達が、胡亥姫さまを凝視して気になるほど彼女は、己の美しい顔の眉間の皺を寄せ、強張った。怪訝な表情をしていた。またしながら健司少年のことを冷淡な目で睨んでいたようなのだ。


 だから胡亥姫さまは二人の許と、いうか?


 己の主だと思っている籍の許へと詰め寄り。健司少年が籍の為、己の男の性を治め、鎮静させる為の物。魔法道具。魔法書籍を籍のカバンの中から強引に奪い盗り。健司少年の面前、目の前で、『バリバリ』と破り捨て。最後は自身の華奢な手と足の裏を使用して。しながら。


『クチャ、クチャ』、


 ゴミ箱へと『ポ~ン!』、『ポ~ン!』と投げ込みたい。放り込めたい衝動に駆られていたのだが。またそれをすれば主さま……。


 籍にその場、後で叱られるのが嫌だから自重をしただけなのだ。



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