第165話 伯父と甥? 伯母と姪? それとも親子喧嘩?(15)
そんな荒々しい彼女の拳や蹴りの攻撃を梁さまは、己のしなやかな身体のバネと、リズムの良い足取りで上手く薙ぎ払い交わしていくのだ。
「はいや~! とぉ~!」、
「えい! えいい! やぁ~!」
と、掛け声をあげながら。またそんな様子の梁さまを凝視すれば、覇王妃自身もいくら相手が籍の実に母である梁さまだとしても腹立って致し方がない。ないのだ……ッて?
あれ? 覇王妃さまは、梁さまが、籍の実の母君だと知っているのだろうか?
だって先程から梁さまのことを『クソ女』や籍の『愛人』、『側室』、『妾』、『スケベ女』、『エロイ、エッチィな女』と。梁さまのことを蔑み、侮るような呼び方しかしていないような気がするのだが?
こちらの気のせいだろうか?
それに?
先程覇王妃さまは、秦学園の麗しい姫さま四天王の一人である胡亥さまから。
「今日は、我が校は休み~。休みだから~。覇王~。籍は家のいる筈だから~。遊びにいってみれば~? 多分彼も~? 覇王が遊びにくれば~。歓喜して喜ぶ~。喜ぶ筈だから~」と。
胡亥姫さまに告げられた。教えてもらったから覇王妃さまは。
「そ、そうかー? せ、籍は、今日は屋敷にいる。いるのか。いて儂の事を待っている。逢引きしたく仕方がないと……。うむ~。そ、そうか~? ならば致し方がない。ないというか……。そんなにも儂に籍は愛してもらいたい。可愛がってもらいたくてウズウズしている。いる、のだなぁ~。籍の奴は~。本当にスケベと、言うか~。本当に致し方がない奴だが。儂の事を心から待っている。待ち望んでいるのならば……。陽は少々高いが。儂が籍……。主の事を可愛がり。慰め。尽くしてやらねばイカン。いかんなぁ~。それが妃、妻としての役目だから……」と。
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