第133話 覇王妃と伯母上さま? 母上さま? また御対面(26)

 でもさ? 清姫の如く振る舞い。嫉妬に狂い。己の気が触れたように、怒り狂って大暴れをしていた覇王妃さまも、押し入れの中にある籍のくだらない物を。押し入れの外へと出すだけだして終わりを告げると。



「フゥ~」


「ハァ~」と気が抜けた。


 そう、彼女は、やりきった充実感。まさに、『快感……』と、でも言葉を漏らしたいような充実ある顔しているのだ。覇王妃さまは……。


 と、いうことはないか。(笑)


 彼女は落胆。落胆をするのだ。


 いくら手間暇かけて覇王妃さまが、自ら押し入れの中にある物を外へと出し終えても。


 彼女が創造、想い描いていたような物。悪しき、怪しき雰囲気を醸し出すような隠し扉も、穴も、抜け道、坑道などないのだよ。


 だから覇王妃さまは再度、「ハァ~」と溜息を漏らすと。自身の艶やかに濡れた唇を開いて。


「籍のことは諦めるしかないか~?」


 と落胆、気落ちした声音で言葉を漏らす。


「ああ~。致し方がない。ないな……」ともね。


 う~ん、でも? 覇王妃さま、少しばかり遅い。遅いかも知れない。と、いうか?



 もう既に手遅れかも知れないよ。


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