第78話 謎の少女の正体は?(2)

 でも、まだ? 籍自身が通う学び舎──高校。ハイスクールの授業の方は終わってはいない。


 そう、いないのだよ。


 だから、生気、精気を吸い尽くされて、眠たくて致し方がなくても、籍は残りの授業が終わるまで、耐え忍ばないといけない。


 まあ、こんな感じで。


「ふぁあ~、ふぁあ~」、「ふぁあああ~」と。


 生あくびばかりを漏らしながらでも残りの授業が終わるまで耐え忍んでいないといけないのだよ。


 う~ん、でもさ? 籍の余りの堕落……。覇気のない様子は、傍から誰が凝視してもわかるぐらい粗相がないからね。


「どうしたんだ。籍? あくびばかりをしているようだが。昨晩も遅くまでゲームをプレイしていて、睡眠不足……。眠たくて仕方がないのか? 籍?」と。


 彼の学友である健司が、自身の学友。ツレの余りの不甲斐ない様子に気が付き、苦笑しながら呟き訪ねてきたのだ。


 と、なれば?



 籍は、自身の学友である健司に、『俺はゲームなどプレイしていない』と、不満を漏らし。『只毎晩、俺の枕元に女の幽霊が立ち。俺のことを襲ってくるから眠れない』のだと説明……だけではなくて。


 籍の覇王項羽への不満は未だ収まらないから。


『だから俺は、不眠症で困っているのだ』と


 健司に毎晩お化けがでるから眠れない、困っていると、告げ説明をする訳にもいかない。


 それに? 健司に説明をしたところで信じてももらえそうにないから。


 籍は「はぁ~」と溜息だけ漏らしながら、己の肩を落とし、落胆だけする。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る