第71話 『黄泉の国』と言う名の不気味な名のゲーム……(14)

〈ドーン!〉


〈バン!〉と。


 大変に物々しく荒らしい音が部屋中に響き渡る。と、共に?


 只今朝食の最中である籍のおかずや御飯、味噌汁が置かれた。ダイニングテーブルが地震も無いのに激しく揺れ動く。


 だから籍の口から「おっ、とっとと、とっとと……」自然と声がもれてきたのだよ。


 そう、実は? 籍の前に座る拍が、己の大事な主が、自分以外の若い異性からプレゼント。ゲームを貰い受けたことに関して嫉妬──。怒りをあらわにする行為の一つとして、拍のしなやかな両手で机を叩いたのだよ。


 それもさ、伯は? ダイニングテーブルを叩いたぐらいでは気が収まる訳でもないから。


「ん? どうしたの?姉さん? じゃないわよ。籍~。あんた~。何~? 勝手の私以外の女性から物を貰っているの~? いい加減にしなさいよ~。あんたは~。お姉ちゃんがどれだけ~。籍~。あんたに尽くしていると思っているの~」と。


 まあ、拍殿は相変わらず、籍に対して、このように潔癖な愛情を求める


 だから籍は、己の脳内で、「(また姉さんが嫉妬心を募らせ。不満を漏らし始めた)」だから面倒だなと、内心思う。


 そう、少しばかり。少量とね。



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