第68話 『黄泉の国』と言う名の不気味な名のゲーム……(11)
だから梁が、「困ったわね~。あの娘(こ)にも~」と、少々お困りと、言うか?
不安のある顔と声色で籍へと言葉を漏らす。
でも、当の本人である籍の方は、余り覇王妃のことを気にもした素振りもみせない。
だって籍は、自分の為にと、梁が真心と愛情を込めて作ってくれた和式のモーニングを『モグモグ』と、己の口を動かしながら食事中なのだよ。
う~ん、でもさ? 余りにも梁が不安のある顔をするから。籍は箸休めをして。
「母さん、放っておけばいいよ。お化けの方は次期に俺のことを諦めて、化けて現れなくなると思うから。放っておけばいい」
と、告げる。
う~ん、それでも梁は、大人の女性だからね。同じ女性である拍よりも女心……。
己が愛する異性への恋心からくる執着心や嫉妬心は、拍や籍よりも年の功と言う奴で理解ができるので。己の主である籍が。彼の許へと毎晩通い妻の如く振る舞い。
そう、日本古来だけではないか? 世界中の至る所にある。女心からくる異性への愛情や執着心……。
そして、嫉妬心から、己の物にする為に毎晩通い妻をして、生と精力共々吸い取り。己の糧にして、最後は自分達亡者が住み暮らす世界へと愛する者を連れ去る。
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