第34話 女同士の対面……(23)

「「ん? 何?」」と。


 二人の姉妹は直ぐに思う。


 また思えば、二人の姉妹は、恐ろしい顔でお互いを睨みつけ対峙する行為をやめて辺りを困惑……。




 と、いうよりも?



 注意深く観察するのだ。


 何処から声がしたのかを確認する為にね。


「「…………」」


 まあ、こんな感じで、『シーン』と沈黙しながら、自分達がいる部屋の中を注意深く観察するのだ。



「ヒッ、ヒィ~。ヒェ~」



 ん? あれ? また音が……ではなくて。声が漏れ聞こえてきたね。


 やはり、先程と一緒で、台詞になっていない掠れた声色での台詞のようだが。


 一体何処から聞こえてくるのだろうか? 本当に悩んでしまう。



「せ、籍~!」



 ……ん? 拍は、どうしたのだろうか? 急に自身の大事な者の名前を、声を大にして呼び叫び出したのだ。



 と、なれば?



 部屋の中を注意深く見て観察をしていた拍の姉である梁も。自身の妹君の声を大にした叫びに対して、「どうしたの、拍~?」と、妹君へと驚愕をしながら視線を変え問いかける。


 そして拍と目が合えば梁は、「籍がどうかしたの?」とも問いかけるのだ。

 すると伯は、自身の顔色を変えながら。


「い、今の声にならない声は……。籍の声で間違いない……。姉さんちょっと籍の様子を見てくる」と。


 梁に告げて。拍は足早に『ドドド』と足音を立てながら。梁の前から姿を消すのだ。


 そんな妹の慌てふためいた様子を梁は呆然……。




 只呆気にとられて見詰めるのだった。

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