第23話 女同士の対面……(12)
梁は告げる訳もないのだ。
だって拍が下着やパジャマを着衣していない容姿をしながら優艶に屋敷内を歩く姿は、今日の今日始まった訳ではないのだ。
もうそれこそ? 数年前から続いているのだ。梁の一人息子である大事な籍へと魅せるように優艶に歩くすがたはね。
と、いうことだから梁は、自身の妹である拍の目に余る傲慢な態度──。只今思春期である年頃の籍への、配慮の無さに以前から憤怒──。不満を募らせていた梁だから。いくら自身の妹君が謝罪をしようが許す訳は無いので。伯へと不満を漏らし始めるのだ。
「あのさ? 拍? 私以前から貴女に訊ねてみたかったことがあるの?」
「ん? 何、姉さん?」
「拍、貴女、もしかして? 家の籍にワザと自分の裸体を魅せている……?」
先ずはこんな感じで、姉妹の会話が始まるのだ。
まあ、相変わらず凝視すればわかる通りで、梁殿は自身の妹君である拍に対して、怪訝しい表情と不満のある声色で訊ねている。
「えっ? いや、違うよ。姉さん……。私は、そんなつもりはない。本当だよ。姉さん……」と。
梁の問いかけに対して拍は、自身の顔色を変えながら。
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