第2話 デートに誘う私Ⅱ

私はまた夫が居るお部屋へと行きます。


理由は謝りたいのとデートに誘うためです。


夫が居るお部屋の前に着くと私はドアをノックしていると

いきなり夫がお部屋から出てきて私に

「翼か、何しに来たんだ」


「あ、謝りに来たんだけど」


「そうか、さっさと謝れ」


「何よ、その言い方は」


「謝る事も出来ないのか、翼は」


「そういう態度でお話する事じゃないでしょ」


「うるさいな、翼は何も出来ないくせによ」


「妻に対して失礼じゃないの」


「失礼? 何が失礼何だよ」


「家の中の事はしっかりとしているのにひどいじゃない」


「よくそういう事が言えるよな、俺の稼ぎで生活しているにな」


「貴方ね、いい加減にしなさいよ!!」


「こわっ、怒りやがった」


私は徹平とお話をしているけど、イライラしてきててどうしようも

ありません。


どうして徹平は私とお話をしていると、挑発してくるというか上から

目線なのか、馬鹿にしてくるのかは知りませんけど、不愉快です。


夫婦ってこういうものなのかと思ってしまうのは私だけでしょうか。


夫である徹平はいつもお仕事が忙しくて私にお付き合いをしてくれないし、

デートくらい私もしたいのに断る。


そんな中で私は夫である徹平に甘える事も出来ず、寂しい日々を送る事しか

出来ないというのも事実で嫌です。


きっと徹平は私の気持ちなんてぜんぜんわかってないと感じます。


謝りに来たけど、こういうふうな態度を取られると謝る気が失せて

本当に腹が立ちます。


「徹平は私の事を理解しようとしてない」


「どういう意味だ?」


「以前は理解してくれたのに今はしてくれない」


「過去は過去、現在は現在だ」


「私はとても悲しいです」


「そ、そうなのか」


「はい」


「そんなに俺は過去に比べると理解してないのか」


「してないです」


「なるほどな」


過去の徹平はしっかりと私の事を理解してくれてて、デートに

誘ってもデートしてくれたというのが事実です。


過去と現在ではぜんぜん違うのも事実です。


どうしてそうなったのかは知りませんが、正直言うと私も

そこらへんは気になる。


私は過去の徹平に戻って欲しいと強く願いますが、徹平自身が

変わりたいと思わないと意味がありません。


私は夫の事を愛しているし、愛しているからこそ、デートしたい。


「ねぇ、徹平、先程は本当にごめんなさい」


「そっか、俺も悪かったな、ごめん」


「本当にごめんなさい」


「本当にすまないな」


「もう一度ね、夫婦としての在り方を考え直さない?」


「そうだな、そうするか」


「うん」


私と徹平は夫婦としての在り方を考え直す事にします。


考え直す事によって徹平はデートしてくれるかもしれない。


変わった徹平を見るのが私は楽しみでしょうがありません。

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