エサる
「……普通に食うのね」
今、
機嫌の治ったミヤとねず子は、エトと同じテーブルについて、人数分置かれた朝食を普通に食べていた。
エトと同じものを。
食パンに、目玉焼きとベーコンを乗せただけのものだ。
「うん、なかなか美味しいわね」
違和感なく普通に口に運んでいくミヤと、
「わたしはこれだけでいいです」
ガシガシと一口食べて目玉焼きとベーコンを捨て、パンだけを食べるねず子。
それをただボー然と眺めるエト。
「えっ?いらないならもらっていい?」
チラッと捨てられた目玉焼きとベーコンを見てミヤが問いかける。
「ひひへふほー(※訳:いいですよー)」
口一杯に頬張りながら喋るねず子。
「ホント?ありがとう」
テーブルに乱雑に捨てられた目玉焼きとベーコンを素手で掴んで口に運んでいくミヤ。
「…………」
自分が食べるのも忘れてこの非日常な光景に釘付けになっているエト。
ちなみに、
エトの分は遠になくなっている。
今ねず子とミヤが分け合っているのがエトの分の朝食だ。
そんなのは意識にないエトは、ただボー然とこれからの食費について考えているのだ。
単純計算で三倍。
今までは自分の分以外はミヤの分のエサを買うだけでよかった。
だが、そのミヤすら自分と同じ分食べるようになった。
かかる金額も同じになったとなると、
しかもなんかうちで養うことになったねず子。
こいつはもう一つ意味がわからない。
帰る場所はここだと言い張るし、一文無しだし、放り出すわけにもいかないので仕方なしにうちに置くことにしたが、かなり食べる。
「どーしたものか……」
途方に暮れるエトなのだった。
「何考えてるの?」
難しい顔をしていたから、心配したのだろう、ミヤが気付いてエトに問う。
「……ああ、大丈夫だ。なんとかなるだろ」
エトは自分の分の食費を削れば大丈夫だろうと結論付けた。
実際、今のエトの稼ぎではとてもじゃなな気がするいが、3人ブ分の食費入れながららぽっぽ食べに行きますかかか
「何考えてるの?バグってるわよ?」
しまった。
寝落ちしながら打ったら大変なことになっていた。
いかんいかん、
お疲れだ。
「よし、働くか‼︎」
やっぱりそんな逃げの姿勢はダメだと、気合いをいれて働くことにしたエト。
「働くの?」
ミヤが首を傾げる。
「ああ‼︎嫌だけど、食費を稼がなければならないからな‼︎」
食費が三倍かかるなら、今の三倍働けばいい‼︎
と生き生きした目で立ち上がるエト。
「頑張って‼︎私もいつもみたいに手伝うから‼︎」
ミヤもノリノリだ。
ついにエトの仕事が明らかに‼︎
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