第17話*監督VS第八近衛騎士
「おらあああ!」
「避けるな!」
「いやいや、当たったら死ぬでしょ。何言ってんの?」
監督。名を福田雄司の、戦場にいるとは思えない発言に苛立ちを隠すことのできない
「大地の精霊よ。我が怒りを体現させよ。
魔法を唱え
「おおお!。すげえっ!。CGじゃなくて、現実でこんなことが起きるなんて」
雄司は足場が揺れ、尻もちをつき落ちながらも、目の前の現実をこの場の誰よりも最大限に歓喜していた。
「大地の怒りに燃え死ね」
「ん?」
「ああああああ!」
「戦場をなめるからそうなるのだ」
「ハイ、カット!。いいねぇ。カッコよかったよ」
「なっ?!」
すると、そこには今まさにマグマに包まれ叫び声を上げている筈の雄司の姿があった。
「バカな。どうやってそこに」
「そんなの移動してだよ?。最初から僕はここで、君を撮ってたじゃないか?」
「何を言ってるんだ?。お前は...」
「なんだ?。この記憶は?。俺に何をした。貴様さては幻魔法を使えるな」
「なに!。そんな魔法が!。君は使えるの?」
「この俺を馬鹿にしやがって、幻だろうが何だろうが関係ない。この辺一帯を破壊すればいいだけの事」
「我が怒りを糧として、大地の精霊よ。その力をこの地に示せ。
しかし、不思議なことに
「ふう。すっきりした」
「母なる大地を創りし精霊よ。この地に新たな土地を創造せよ。
「たいして、怒ってもいないくせに怒ったふりをして、戦場を誇りに思っているような嘘をつく。大根過ぎるだろ、お前」
「どうやって、助かった!?」
「そんな。嘘つきで、芝居の下手な君にはお似合いのラストを用意したよ」
「幻か?」
「初めからそこに嫌がったのか」
「また、幻か。効かねえよ」
「なんだよ。これは、悪い夢でも見てるのか?。誰かそうだと言ってくれ」
そして、
「大地の精霊を騙した大罪人は、ついに大地の精霊のそのことがバレ、その身を大地深くにある地獄に落とされる」
雄司はそんな独り言を呟くと、どこからともなく本が出現する。そして、その本を無言で閉じ地面に捨てた。その本には『
☆
【監督、福田雄司のスキルは以下です】
・統率
味方に出す指示が的確に通り、味方が自分の存在を頼りやすくなる
・観察眼
相手の体の状態や感情を読み取り理解することが出来る
・想像は現実に起こり得る
専用スキルのため確認できず
・演出改変
専用スキルのため確認できず
・信念
専用スキルのため確認できず
「はぁ?。わけわかんない能力ね。何したの?」
【既存のスキルでは説明できません】
千歳はその胸に人形を抱きながら、モニター越しに見た監督の戦いの様子を見ていた。
「ていうか、あの本捨てずに持ってきてほしかったな。何が書いてあるのか結構気になるんだけど」
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