みんな、大嫌い

第1話

みんなみんな大嫌い

あの子もこの子も 、いつもいじわるしてくるもん。

靴を隠したり、隠した靴の中に画鋲を入れたり、

お弁当をぐちゃぐちゃにしたり砂をかけられたり…

もうこんなのいや嫌だ

でも嫌だって、やめてっていったらいつも生意気だってぶたれるんだ。

話しかけてもしらんぷりされるんだ。

もういやだ、もう…

次の日、その少女に意地悪していた子が幼稚園に来なくなった。

しばらくして、また今度は意地悪していた別の子が幼稚園に来なくてなった。

二回も不幸があったので、流石にいじめは若干緩くなる。

言うまでもなく、少女がやったのだ。

犯行はこうだ。1人で公園にいるとき、あるいは幼稚園の帰り道。いつものように叩かれたり蹴られたりする。そんな時、公園であれば人目につくようにわざと大声を出し走る。焦ったいじめっこは走って逃げ出そうとするが、逃げた先にはたまたま置いてあったバケツなどに引っかかり転んでしまい、たまたま手をついたガラクタの中に刃物が入っていたため大怪我をしてしまったのだ。

幼稚園の時は水飲み場だったので誤っていじめっこに水をかけてしまい、いじめっ子はたまたま置いてあったボールに足を取られ、たまたま後ろのコンクリートに頭を強打してしまったのだ。

少女は思う。

みんな、みんなしんじゃえばいいんだ。

でも…みんないっぺんにしんじゃったら…

みんないっぺんにしんじゃったらかなしいな…

やっぱりダメだよね。みんなしんじゃうって。

だって

嫌いな人がが仲良くしんじゃうのもしゃくだし

嫌いな人が悲しむ顔も見ることができない

それに1人ずつしなせる楽しみがなくなっちゃう

だからいっぺんにしんじゃうのはよくないよね

いつかは

いつかはみんなしんじゃったらいいな。