第2話
「天気痛」
知らなかった。お天気がその人の体調に影響を及ぼすなんて。
私は窓の外を眺めて、いたたまれなくなった。外は雨が降っている。それも、かなり激しい降りようだ。窓のサッシに叩きつけるように振る雨は、「ザンザザンザ」と音を立てている。
そして私はといえば、昨日から頭が割れるように痛く、その上だるくてだるくて、起きていることすら辛いのだ。
「天気痛って言ってね」
せいきょう宅配班に品物を取りに現れる、同じマンションに住む奥さんの言葉が頭の中によみがえった。
「天気が悪いと、体の悪いところとか、昔ケガをしたところが痛むのよ」
その奥さんは、学生時代バレーボールの選手だった時にケガをして手術をした足が痛むのだと言っていた。
(まさか、私も同じ身の上になるなんてねえ)
晴天の霹靂、といった具合だ。誰だって、「明日は我が身」なんて思いもしない。
病気になったことは喜ばしいことではないけれど、今まで経験したことのないことを経験して、一つ賢くなったのかなと思った私だった。
明日は晴れることを願って。
明るい病人計画♪ @satoyomi
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