第17話:妊娠…ダーリン
夜の暗闇のベッドの中で隣に寝ている毛だらけで全身真っ黒な彼をずっと見ている。まだなんだからね。これで終りじゃないんだからね。まだ夜は長いのよ!
だけど 彼は私から離れようとするの。ダメ!このバカ女の子をなんだとおもってるの!終わった後はくっついてなきゃだめじゃない!全く一から教えてやらなきゃいけないなんて(`ε´)もう!だから離さない。だってまだここままでいたいもん。
こうしてしばらくじっとしていると、さっきやった彼とのドライブを思い出して恥ずかしくなっちゃった。彼は安らかな顔をして毛だらけの体中に汗をかいている。彼に触れながらドライブ楽しかったよと彼に囁いた。
彼はうつ向いたままうんともすんとも言わないの。この恥ずかしがりやさん(*^。^*)ポッ。
ほらほら、ドライブが終わった後は女の子にやさしくしないと!と私は彼の腕を私の肩に回したの。彼ったらフー!とか間抜けな声出して、すっかりトボケてるの。もう!なんにも知らないんだから!と私は彼の毛をむしり取ってやった。ダーリンは「ウキー!」とか怒ったけど、ちょっとしたお仕置きよ!これから女の子のことを一から教えていくんだからね。
闇に包まれたベッドで二人は何度も見つめ合う。街の雑音も今は聞こえない。なんか二人だけ世界から遠く離れたところにいるみたい。私は彼に笑いかけながら、「今、幸せだよ……すごく幸せだよ」と呟いた。彼も皺だらけの唇を緩ませながら微笑む。彼の胸の鼓動がゆっくりと鳴る。温かい……こんな優しい胸に抱かれて眠るなんて初めてよ。
彼がモゾモゾしだした。お腹の傷口のあたりが痒いみたいで、それで絆創膏を貼ったあたりを掻き出しの。ダメよ!そこは私がぶん投げて串刺しにしたところよ!私はあわてて彼を止めたの。だけど彼はフー!とか言って能天気に絆創膏をはがそうとする。ダメ!またピュッピュピュッピュと血が出るじゃない!だけど彼は私を腕を掴んで大丈夫とそのしわだらけの口で微笑んでゆっくりと絆創膏をはがしたの。あれっ!傷口が完全に塞がってる!呆れた!なんて回復力なの?
「ダーリン!」……知らず知らずのうちに彼をそう呼びながら、私はまた彼にキスをする。これから呆れるくらいキスするんだからね!二人がおばあちゃん、おじいちゃんになってもずっとキスしようねダーリン!
互いの手を握り合い、私とダーリンは再び愛のドライブへと旅立っていった。
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