第18話:妊娠…人類の夜明け

 夜明け近くに目が覚めると隣にダーリンがいないの。なんて失礼なの!こんなモデル顔でセクシーボディーでツルンツルンのお肌をした私をほったらかしてどっか行っちゃうなんて!もうどこほっつき歩いてるのよ!と私はぷりぷり怒りながらダーリンを「ダーリン、どこにいるのよ!こっちに来なさい!」って呼んだの。


 昨日出会ったばかりなのにダーリンだなんて親しげに言っちゃってダーリンなんて言ったって彼にわかるかしら!でもあの後何度も彼がうんざりするぐらいダーリンダーリン言ったから彼ももう自分がダーリンだってことぐらいわかるよね?


 だけどダーリン、うんともすんとも言わないの。あんだけダーリンダーリン言ってたのにまだ自分がダーリンだってわかんないの?いい加減にしてよ!ああ!ダーリンがこんなにバカだなんて!乳児教育から始めなくちゃダメじゃない!



 ダーリンがいつまでたっても戻ってこないから私ベッドから出てダーリンを探そうとしたの。したら突然片手に物干し竿を持ちながらバナナ食べてるダーリンが飛び出してきた。


 私ビックリしちゃった。なんでアンタ物干し竿を持ってるのよ!ヤリかなんかのつもり?ダーリンはヤリがわりの物干し竿をを持ちながらコトコト私のところにやってきてバナナをねだるの。


 このバカ!一体女の子をなんだと思ってるのよ!私はアンタの飼育員じゃないんですからね!とダーリンを叱ろうとして物干し竿を持ってバナナ食べてる毛だらけで全身真っ黒なダーリンを見たら、なんか笑いがこみ上げてきたの。だってダーリン学校の教科書に出てくる、人間になりたての原始人類そのまんまなんだもん。


 そして感動しちゃった。サバンナにはダーリンみたいな人がまだ残ってるんだ。ああ!アフリカ!いずれ私もそこに住むんだわ!そこで生まれたまんまの自分に還るの!興奮のあまり私は思わず「ダーリン!」って彼を呼んだの。


 そう彼を呼んだ時、ダーリンはジッと私を見つめたの。そしてその皺だらけの口をニッコリ笑ったの!彼わかってくれてたんだ!自分がダーリンだってことを!


 嬉しくて嬉しくてダーリンをヤリごと抱きしめてその皺だらけの口に今日初めてのキスをしたの。窓から夜明けの太陽が登っきてる。私とダーリンは、夜の続きをと、夜明けの太陽をバックライトにしながら今度は朝のドライブを始めたの。





*ダーリンとの出会いを思い出しながら書いてたらこんなに長くなっちゃった。しょうがないのよ!ダーリンのことを書き出したら筆がとまらなくなるんだから!とにかくこれでダーリンとの出会いは全部書きました!次からは私とダーリンの果てしないバカップルぶりを書きまくるから、みんな楽しみに待っててね!






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