第14話:妊娠…戦闘、開始 その3
私は我に返るとお風呂から上がってセクシーボディをタオルで拭いて水を弾くツルンツルンのお肌にクリームを塗るとパジャマに着替えて私も早く寝ようと自分の部屋に戻ったの。
だけどドアを開けてビックリした。さっき彼がピュッピュピュッピュと出してた血がこんなに酷い事になってたなんて!ベッドは勿論、壁とかカーテンとか彼の血の痕がべっちょり飛び散っているの。これじゃ誰が見ても殺人事件が起こったかと思うわよ!おまけに彼の激臭がまだムンムン臭うの。私はこんなとこじゃ寝れないわ!と客間の彼が寝ている反対側の右の客間で寝る事にしたの。
だけど彼あんなに血を出していたのによくあんなに元気でいられるわ!
左側の客間から彼のいびきが微かに聞こえた。私は毛布の中で蹲りながらずっと彼のことを考えていた。やっぱり私彼を好きになっちゃいけない。彼を好きになったら彼は不幸になるし、彼を待ってる家族も不幸になる。もしかしたらサバンナにウキー!将来を誓った毛だらけで全身真っ黒な幼なじみもいるかもしれない。私はサバンナ育ちの彼を弄ぶ都会の女じゃないのよ!
明日彼をサバンナに帰そう!バナナとお金を山程詰め込んで飛行機で帰そう!それが二人にとって一番いい方法なの!純真で毛だらけで全身真っ黒なあなたはこんな人種差別主義国家にいちゃいけないのよ!また涙が出てくる。今まで生きてきて本気で好きになった人なのにと私が耐えられなくなって泣き出そうとした時だった。
ドアがガチャリと開いた。体を起こしてドアの方を見ると、逆光の中で彼がしょんぼりと立っているの。もしかして一人じゃ眠れないの?でもダメ!もういい年なんだから一人で寝なきゃって彼を叱ってやろうと起き上がろうしたけど、逆光の中に光る毛だらけで全身真っ黒な彼のつぶらな透き通るような瞳を見た瞬間私は動けなくなったの。
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