第7話:妊娠…抱擁

 ウギャ――――!なにこの気持ち悪い化け物は!こんなの人間じゃない!ヤッパリ猿よ!動物園かどっかに持っていかなきゃ! こんなの人間じゃない!こんなのはどっかに捨ててやる!


 と私は彼を公園の森の中にブン投げたの。「オリャ―!!」って大声出してね。そして逃げた。超ダッシュで逃げた!だってあんな化け物嫌だもん。ふざけんなよ!


 

 ……でも私は立ち止まった。バカ!バカ!私のバカ!何てことしたの!これじゃああの人種差別主義者たちと一緒じゃない!自分とちょっと違うからって獸あつかいするなんて……。


 ゴメン投げ捨てちゃって……。 と私が彼を投げ捨てほうに慌てて戻ると、木の枝に彼が串刺しになっていた。


 きゃああああ―っ!!大変!ど、どうしよう私のせいで彼が死んじゃう!ダメ!そんなのダメ!そんなの絶対ダメ!私は涙で顔をクシャクシャにしながら彼を木の枝から引き抜いたの。


 彼はウキー!と大声を出したけど私はいい子だからってボコって黙らせたの。だってうるさいだもん彼、お巡りがいつ追って来るかも知れないのに、全く分かってないんだから(`ε´)もう!



  街中ではみんな私と彼をジロジロ見てる。そりゃ血まみれの男をおんぶしている女なんて珍しいよね、やっぱり。でも周りの視線なんて気にもならなかった。この人種差別主義者だらけの国では私と彼は嫌われ者だけど、二人ぼっちでも生きていける。そう思ったから……。彼は私を信用したのか安心して私に身を任せている。私は振り返って背中の彼を見た。



 ようやくマンションについた。まずは彼の手当てをしなくちゃ!と私はベッドに彼を寝かせた。彼はベッドに横たわると、うずくまって安らかな顔をしたの。もう安心よ。もうあんな人種差別主義者のお巡りはいないよ。


 こうして彼の裸を眺めてみると私よりすこし小さいの。でも逞しい……。毛だらけの胸に深い谷間ができてるの。







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