第27話 第一王女

「セライア、今日はもう、風呂に入って寝た方が良いかと思ったんだが」


「ああ・・・そう、だね。日課のアレだね」


うん、それ以外に何があるんだ。


そっと服の上から下着を外し。

・・・やばい、凄く興奮する。

好きな女の子に、スキルの為とは言え、こんな事を。

セライアは、真っ赤になり、目を固く閉じている。

身体も震えているし、凄く体温が高い。


恋愛感情は無くても羞恥心は有るらしいし。

あんな事があった後だから、こういう行為は怖いのかも知れない。

事務的に、素早く済まそう。


服に手を入れ──


「ひゃううう」


?!


セライアが不意に、叫ぶ。

やばい、凄く色っぽい。


「セライア・・・?」


「うう・・・マサシ、恥ずかしい・・・」


ふむ・・・無理は良くないな。


「セライア、今日はやめておこうか」


「うん・・・ごめん、少し時間が欲しい」


そっか・・・なら仕方がない。

俺自身、心臓が破裂しそうにバクバク言って、限界だしな。


「誰に頼もうか香菜山か・・・サラ王女か・・・後は、リフィア王女か・・・」


「私の下着を脱がして!」


もう良いの?!

少し時間が欲しいって、本当に少しだった。


妙になまめかしく雰囲気を作るセライアから、下着を入手すると、ガチャに投入。


「で、風呂は一緒に入るか?」


「ふえ?!だ、駄目だ。そんなの、恥ずかしくて死んでしまう!」


涙目で叫ぶセライア。

色々力を見せたから、もっと積極的になるかと思ったが。

えらい肩透かしだ。


「そうか・・・じゃあ、代わりに香菜山に──」


「お風呂は、スキルと関係無いよね?!」


セライアが叫ぶ。

確かに、無理にこなす必要のない日課だな。


セライアは、頬を膨らますと、


「キミは、日中も監視した方が良さそうだね。明日からは、キミと行動を共にするよ」


セライアは、基本的に、朝出て行って、夜に帰宅する。

何かやっているらしい。

一緒に狩りに行くとか、そういう時だけ行動を共にするのだが。


やっぱり、俺が色々知らないスキルを使ったから、それを知りたいのかな。


ふむ。


これからは、もっと色々スキルの相談をして、興味を引くようにするか。

セライアが熱心に俺の話に耳を傾けるのは、心地良い。


--


「今日は皆さんに、私の姉、第一王女を紹介します」


セライアに言われ、今日も王宮に。

王家を出た第一王女を紹介すると、サラ王女が言い出して。


「セライア=リン=グロウリアだ。王位継承権は破棄しているので、王族として扱う必要は無い。気軽に接して欲しい」


セライアが、まさかの第一王女。

伏線も脈絡も一切無いのに王族とか、反則である。

王家には秘密も何も、あんた王家の一部じゃん。


「ひゅう、良い女だな。世界を救った暁には、結婚相手にはあんたを指名しても良いんだよな」


猿田が、下卑た笑いを浮かべる。

ああ、世界を救ったら、望みの褒美が出るのか。

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