第11話 凄く鋭利な物

・・・?

しまった?


セライアの顔を見ると、火が出そうな程真っ赤。

涙目になっている。

おい。


「・・・おい、やめた方が良いのでは?」


「な・・・ここまで来て引けるか!ちゃんと脱がしてくれ。さあ」


胸を更に差し出す。

ぬう・・・


無心無心・・・

円周率でも数えて・・・

円周率はパイ、円周率はパイ、円周率はパイ・・・


よし、戦利品をすみやかにベッドの上に置き。

次は──


セライアが、真っ赤になり、強く目を閉じている。

・・・脅されて、強制させられている、という印象ではない。


ともかく・・・ひたすら無心になり、もう1つもゲットした。


「これで良いのか?」


「ふ・・・十分だよ」


真っ赤になりながらも、無理やりドヤ顔を作り、セライアが告げる。

十分、というか、致命傷に見えるな。


「まず、分かった事が有る。キミが下着に執着するのは、それがユニークスキルに関係が有るからだ」


・・・ガチャスキルの詳細がバレていない?

もしくは、クレジットの貯め方は毎回異なる・・・?


「実際、下着よりも、中身にもそれなりに興味を示しているようだった。キミが下着にだけ執着しているとは思えない」


「うむ、すげーエロかったからな。正直に言って興奮した」


「──!」


セライアが真っ赤になって睨む。

いや、させたのあんたじゃん。


それにしても・・・

ガチャの事がばれていないなら、できれば目の前で処理せず、帰ってもらってからやりたい。

帰って貰うか。


「ところで、セライア」


「何で名前を?!」


・・・あ。


「ところで、キミさ」


「何で誤魔化せると思ったの?!」


むう・・・


「覚悟は出来ているんだろうな?こんな夜更けに・・・男の部屋に・・・」


「え、召喚されたところのキミでは、私のステータスには敵わないと思うけど」


ぐさ。


「ともかく、この下着は貰って良いんだな。今後、色々手助けをしてくれるのは有り難い、手を組むのはこちらから頼みたいくらいだ。特に指示は受けないが、協力できる事が有れば協力しよう。それでいいか?」


「キミのスキルが何なのか、まだ聞いていないのだけど・・・」


さっきまで色々推測していたのに、直接的に聞く気だろうか。


「それは自分で研究するんじゃなかったのか?」


「そうだけど・・・なかなか難しくて・・・凄く鋭利な物を飛ばすスキル、という予測はついているのだけど」


フライングソードですね。

そこまで鋭利じゃないですよ。


セライアは溜息をつくと、


「まあ、キミのお陰で、色々助かってはいるんだ。今日はその御礼という事で、これで帰らせて貰うよ」


「御礼か。なかなか刺激的だったな」


「あう・・・それは忘れて欲しい・・・」


セライアが真っ赤になって俯く。

いや、じゃあやるなよ。


「それで、下着は有るのか?」


「替えは無いからね。このまま帰るよ」


「替えならあるぞ」


ばさり


各種サイズを出してやる。


「空間収納ううう?!」


セライアが叫ぶ。

いや、あんたも使えるじゃん。

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