第2話 せめてもの誠意

「田中さん・・・無事でしたか!」


王女様が俺を見つけ、駆け寄ってくる。

意外と過保護なのだろうか?


「ギルドから、サルサ山に頻繁に行っていると聞いて・・・心配していたんです」


「薬草採取くらいしかできませんからねえ・・・」


ああ、やっぱり俺の能力だと、あそこでもやばいんだ。


「最近、サルサ山で、霊獣の死体が発見されて・・・何かと戦った様なのですが・・・ともかく、今は立ち入り禁止にしている筈なのに・・・田中さんが聞かないと・・・」


うわ、何かやばい奴が出てたのか。


「・・・でも、私の能力では、あまり魔物が強い場所は・・・」


「そうですね・・・薬草採取であれば、西のトロロ岩石地帯でも獲れるので・・・そちらにいかれては?」


「そうなのですね。では、そちらにします」


・・・サルサ山なら、十数分で着くが・・・トロロ岩石地帯って、確か2時間とかかかるんじゃなっけ・・・

まあ、やばい奴が出るなら、避けた方が良いだろう。

明日からはそっちにしよう。


王女に一礼すると・・・本来の目的である、クラスメートを探す。


いた。

あれは・・・委員長。


--


「どうぞ」


怒りで顔を真っ赤にした香菜山かなやまが、紙袋に入った下着を渡してくれる。

うわ、温かい。

別に、新鮮でもポイントは増えないけど。


「有り難う・・・助かるよ」


香菜山かなやまは溜息をつくと、


「他の女性・・・クラスメートにも、迷惑をかけないこと。どうしてもと言うなら・・・また、私のをあげるから・・・」


「いや・・・同じ人のをあまり沢山貰ってもなあ・・・」


きっ


香菜山かなやまが睨む。

しまった、口に出た。


「うん、他の女性には迷惑かけない・・・ごめん、ごめんよ」


・・・そういえば、念の為口封じが必要か・・・?


「ねえ、香菜山かなやま・・・この事は、他の人には・・・」


「言える訳ないでしょ!」


ですよね。


「ただまあ・・・あまり高頻度ではあげられないから・・・その・・・私にも予算があるし・・・」


ああ、香菜山かなやま達はまだ働いていないから、資金繰りが苦しいのかな?


「そうだよね・・・代金って言うのも変だけど・・・これを・・・」


香菜山かなやまに、金貨2枚程握らせる。

日本円にして、20万円くらい。

今回の下着の代金としては十分な筈。


「・・・え・・・お金無いって・・・言ってなかった・・・?」


あ、やべえ。


「・・・香菜山かなやまの下着が欲しかったんだ・・・」


うわ、怒気がすげえ。


「有り難う、本当に助かったよ・・・大事に・・・使わせて貰うよ」


「そ・・・そんな事宣言するなああああ!」


ですよね。


本当は何人かから貰いたかったが・・・そんな雰囲気では無い。

香菜山かなやまに再度礼を言うと、宿屋へと戻った。


さて・・・


紙袋の中には、ショーツとブラジャー。

なるべく見ないようにして・・・ガチャマシーンへと入れる。

せめてもの誠意だ。


クレジット:6pt→26pt→46pt


うん、2倍入った。

・・・あと2人か・・・もしくは、何枚か貰っていれば、100pt集まったかもしれないが。

とりあえず、4回いっておくか。


スキル:

 鑑定→収束されました


スキル:

 隠蔽→収束されました


スキル:

 空間収納→新しい能力が発現しました


タロット:

 ドラゴン Lv.1 1/1


***************************************


名前:

 田中たな雅司まさし

レベル:

 31

職業:

 無職

ステータス:

 STR 34

 DEX 33

 AGI 32

 VIT 32

 MAG 33

 MEN 33

スキル:

 ガチャ(6pt)

 鑑定 Lv.3

 偽装 Lv.2

 チャージ Lv1 0/1

タロット:

 フライングソード Lv.1 5/10

 ドラゴン Lv.1 1/1


***************************************


ドラゴン・・・召喚したら、火を噴いて消えるらしい。

乗って移動とかしたかった。

フライングソードみたいな雑魚スキルではなさそうだけど。

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