19 残光
夕日が沈む頃になって、ようやく『彼女』は目を覚ます。
角灯の中で大きく伸びをし、夕日の残滓を纏って嬉しそうに笑う。
『今日は良い天気だったわね。おかげでたっぷり力を溜め込めたわ』
「そいつは上々。今夜はお前さんだけが頼りだからな」
本日の獲物は闇夜茸。新月の夜のみ採取できる希少な一品だ。
『任せといて! 一晩中だって輝き続けてみせるから』
胸を張る彼女に、わざと険しい顔を作る。
「やめろ。そんなことしたらお前が消えちまうよ」
どうも前の契約者との間で何かあったようだが、少なくとも俺は、意味もなく契約精霊を酷使したりはしない。そんなことで、大切な相棒を失うわけにはいかないのだ。
『冗談よ。光ある限り、そばにいるわ』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます