15 七五三

 七歳までは神の子だからと、母は目を腫らして呟く。

 あまりに可愛かったから、神様がお連れになったのよ、と。

 生まれつき体が弱く、三歳と五歳の節目を青息吐息で乗り越えて、やっと綺麗なおべべを着せてもらえるの、と張り切っていた、私の妹。

 この日のためにと、母が夜なべして直した紅い晴れ着は、永遠に出番を失って、行李の奥底にしまい込まれた。

 さようなら、私の可愛い妹。

 神様の国で、今度こそ幸せになるんだよ。

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