眠れない夜

どうせ眠れないなら

起きちゃう方がいいかな

読みかけの本、聞けずにいた音楽


どうせ眠れないなら

飲んじゃう方がいいかな

一抹の背徳感、一杯の解放感

のしかかる闇から逃れる


どうせ眠れないなら

泣いちゃってもいいかな

誰かが見ている訳ではないし

朝には何事も無く微笑むから


眠れない夜

彷徨うのが

自分だけではないとしたら

少し、眠れるような気がした


***


「眠れない夜、何をする?」


車座になって話していて、出た質問。

興味深く聞いた皆の答は覚えてなくて

その問いかけだけ、刻まれている。


ぽっかりと現れる、おまけみたいな夜の隙間。

楽しみが、恐れに変わったのは

いつからだろう。


眠れない夜


問いかけたあの人は

何を抱えていたのだろう。


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