佐用姫伝説

やがて別れる運命さだめなら

なぜ出会ったの 恋したの


愛しいあなたは 戦場へ

私の元へは 帰らない


遥か海ゆく 船団に

ひとり領巾ひれ振る 鏡山


愛しいあなたを 追いかけて

こころは海をゆくけれど

この身虚しく地に墜ちて


儚い人の命なら

再び会うは叶わない

天に願って石と化し

永遠とわにあなたを待つならば

あなたの御霊みたま帰りきて

きっと二人は結ばれる


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ふるさとシリーズ第2段。


松浦佐用姫まつらさよひめ伝説、というのをご存知でしょうか。

浦島太郎、羽衣伝説と並ぶ、日本三大悲恋伝説。

その佐用姫さんの生誕地が、私のふるさとだと言われています。


537年、新羅との戦に向かう大伴狭手彦あおおとものさでひこ。日本を発つ最後の地で、身の回りの世話をしたのがその地の長者の娘、松浦佐用姫。

二人は恋に落ちますが、結ばれることはなく、狭手彦は海を渡り、異国との戦に旅立ちます。

佐用姫は別れを惜しみ、鏡山から海上の船団に向かって領巾ひれを振る。

別離に耐えられなくなり船を追い、たどり着いた島で7日7晩泣き続け、遂には石になってしまった、という伝承です。


山上憶良も、佐用姫の歌を詠んでいます。


行く船を振り留みかね如何ばかり

恋しかりけむ松浦佐用姫




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