ふるさと讃歌
菜の花続く
線路づたいに
未来夢見た
ふるさと讃歌
星のまたたき
川のせせらぎ
蛍飛び交う
ふるさと讃歌
赤い夕焼け
友と見つめた
少し寂しい
ふるさと讃歌
舞い上がる雪
凍りつく空
我慢比べの
ふるさと讃歌
思い出だけが
取り残されて
今も恋しい
ふるさと讃歌
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中島潔さん、という画家をご存知でしょうか。
うめきちくん、という白い仔犬と共に、美しいふるさとの原風景を描く方です。
私のふるさとは、あの方が描く、小さな町です。
春。歩道橋に上って、線路沿いにどこまでも続く菜の花を眺めていました。
中学生の時から、いずれここを出ていくのだと知っていました。
夏。まだ近所の川に蛍がいて、家族で蛍見物に出掛けた夜。目の前に飛んできた蛍が、提灯みたいに道案内をしていました。
秋。夕焼けが早くなっていく切なさ。あの頃、大人になったら一緒に暮らそうと約束した友人は、今では一児の母です。
冬。北風が唸り、下から上に吹き荒れて、雪を舞い散らしていました。全てが凍てつくような、盆地の寒さでした。
甦るふるさとは、今はもう思い出。
人口はますます減り、分校は消え、廃校も出た。
日本各地で、同じような状況があるのでしょうが…。
変わりゆく、ふるさと。
変わらない、思い出。
私を支える、原風景。
今も恋しい、ふるさと讃歌。
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