第2話異世界へ

意識を失ってからぼんやりとした光に包まれた。

そっと目を開けるとそこには、おっぱいが二つもある。なんとうれしいこと気絶しそう。生まれ変わったとはいえ、感覚は赤の他人。つまりここにあるのは母親のおっぱいではなく、女のおっぱいである。わー、なんとうれしいことか。こんな体験ができるだなんて、最高。心の中が喜びがいっぱいで顔にまでに出てる。

「あー、やっと起きた。満面の笑みを、見せて可愛い」

まだあまり見えないが女性の声と方向でわかる、この人が私の母親だということを。あともう一人、酒臭いにおいがとてつもなくきつい。多分父親だろう。今は寝てるのか。こんなかわいらしい俺を無視して寝れるなんて、全く正気の沙汰じゃないぞこの父親。まあいい、この酒臭さがこれ以上近いてくることはないのだから。今のはフラグじゃーないぞ。落ち着け、俺はフラグ回収しない男。第一、こんな奴が今起きてくるとは到底思えない。あ、またフラグを立ててしまった。いや、そんなことはどうでもいい。今やらなくてはいけないことは、この母親のおっぱいを堪能することだ。あー柔らかい、気持ちいいー。あともうちょっとこの時間を堪能したい。

「あ、パパ起きたのね。早く言ってよ」

「パパァ、なんか気持ち悪い。ロドシエルでいいって言ってんのに」

「あっそ、じゃあロドシエル向こうの部屋からタオル持ってきて」

「おいおい、ずいぶん人使い荒いんだな」

「え、なんかいった」

「何も言ってません」

今、母親に敷かれている父親の光景を見たのは俺だけだろうか。赤ん坊で、目は見えないがな。もし、母親が父親を敷いてるのなら、とてつもなくいいことだ。なぜこれほどにまでに上機嫌になるかって、そんなの決まっている。敷かれていると、こっちに利点があるからだ。利点というのは、母親はみんな子供を溺愛すること、

そして敷いている側なので権力があるということだ。つまり俺の言うことを聞いてもらえるということだ。ぐふふ、楽しい異世界生活が始まりそうだ。




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異世界から転生して2歳となる。そして今とても上機嫌だ。なぜって、そんなの妹ができたからに決まっている。ぐふふ、ようやく俺も「お兄ちゃん」と言われる日が来るとわかると、つい笑みがこぼれる。そして父親は商人だということ。生活を指導されることや苦しいことがないベストポジション。なんとうれしいこと、素晴らしすぎる。妹にミルクをやり終えれば、俺は妹をめでることができる。あー、想像しただけで素晴らしい。心の中がざわついている。

「あー疲れた。アダムは全然泣かなかったのに、クレアはずっと泣くなんて。いや、アダムが異常だったのかな。あ、またパパ寝てる。もーおこちゃうぞ。」

「はー、なんだよ怒っちゃうぞって。お前が起こったらこんなもんじゃないだろ」

「え、なんか言った」

「なにも言ってません」

ロドシエルは全く学習しない。困ったもんだ。まあ、笑いありの家族だからいいんだけど。

「まあ、いいじゃん」

「そ、そうだよ。アダムだって言ってるじゃないか」

「だめよ」

今、威圧が来た。これは俺には耐えきれん。こうなったら必殺技を出すしかない。

「うえーん。ママ怖いよ」

そうこれが必殺技だ。残念だったなロドシエル。俺は一足先に抜け出させてもらうぜ。

「誰が怖いって」

き、きかないだと。もう終わった。無理だ。オー疲れ様でーす。

この後しっかり怒られました。




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「お兄ちゃん」

その一言に俺は感動した。だってお兄ちゃんだぞ。破壊力あり過ぎだぞ。

俺は4歳となり、今年がスキル鑑定だ。まあ、そっちも気にしてるが、今は2歳になった妹の「お兄ちゃん」を堪能してるところだ。この世界は成長スピードが速いらしい。まあ、2歳で「ママ怖いよー」を言って嘘だとばれたのもこのことからだろう。あと2年はかかると思ったが、今聞けてとても嬉しい。

「お兄ちゃん何してるの」

「あー、これか。これは素振りだよ」

「素振り?かっこいいね」

か、かっこいいだと。やめてくれ妹。そんなに言うとお兄ちゃんのライフが0になる。言われたことにいちいち反応している俺。もう、シスコンだな。そんなやり取りが今の日常だ。

「アダムー、どこー」

「イシスじゃなくて、ママーどうしたのー」

「今年、スキル授与式でしょ。今から授与式に着る服の採寸はかりに行くから着替えなさい」

「はーい」

「お兄ちゃんお出かけするの」

「うん、お出かけするよー。クレアはお留守番ね」

「いや、一緒じゃなきゃいや」

うん、鼻血でそう。いや、もう出てるわ。なんでこんなにかわいいの?もう犯罪でしょ。まてまてまて、興奮すんな。ここはお兄さんの対応で。

「ごめんなクレア。一緒には出掛けられないんだよ。お母さんを説得すればいいけど」

いきなりクレアに試練を与えてしまった。どうしよう、そんなの頼んでも聞いてもらえないというのに。

「うん、聞いてみる。ママー」

「どうしたのクレア?」

「あのね。お兄ちゃんと出かけたいの」

ああ、かわいそうに。現実を知ることになる。「だめよ」ってすぐ帰ってくる。

大丈夫、兄ちゃんが慰めてあげる。

「いいに決まってるじゃない」

あれー、おっかしいな。あんな鬼だったママがいいっていうなんて。ま、まさか。俺の嘘は見透かされたのか。

「だってクレアもスキル授与式するんだから」

「え、なんで。4歳じゃないよ」

「男は4歳、女は2歳、知らなかったのー」

「な、なんだってー」

思わず叫んでしまったせいで、あとで怒られる羽目になった。






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