さらばデンゲル人テレスと仲間たちその2

テレスからデンゲル帰国の提案を聞いたヒキコモリーヌははっきり反対意見を述べました。

「あなたたちが今帰ったらひだまりはますますデンゲルとの関係を悪くします、もうしばらくひだまりにいてもらわないと私たちが困ります!」


前に述べた通りひだまりではデンゲル難民との問題があり、ヒキコモリーヌはそれを心配していました。

さらに言えば、テレスがいなくなれば、この問題はひだまりの言い分だけが通る公正とは言い難い状況に陥る可能性がありました。


簡単に言えば、かつてデンゲル人がひだまりにしたことをそっくりそのままデンゲル人に復讐という形で行う可能性が高いということです。

テレスたちがいて、その存在と発言力があるおかげでかろうじて最後の防衛線は維持されている!


これがヒキコモリーヌの見解でした。

テレスはこうした意見を聞き、デンゲル帰国について保留しようという考えに大きく傾かんとしていました。


しかし、ここで全く逆の意見を述べる者たちが現れました。

それはコウメイとバグダです。


読者の皆様もお気づきと思いますが、この二人、ひだまりの常識を超えた策を用いてガチスやデンゲルなどの外国勢を出し抜き、ついでに味方であるはずのひだまりの民まで出しぬくなど、今絶好調のコンビでした。


成功例が重なったため、お互いの信頼度も上がりバグダの大雑把な部分をコウメイの繊細な気配りがカバーし、同時にバグダの天才的才能はますます冴えわたっていました。


そんな二人を同時に集め、テレスはデンゲル帰国の相談をしました。

いままで相談した人々は無言であったり意見を述べたりしても基本的には帰国反対の意見でしたのでこの二人もそうだろうと内心決めてかかっていたようです。


しかし、その予想を見事裏切って二人とも帰国の提案を褒めたたえました。

普通の思考なら、提案に賛成か反対をまず話すのですが、この二人の頭脳は普通ではありません。


よって賛成するのは当たり前で、その次の段階の話をするつもりで姿勢を整えていました。

さて、何を褒めたのか?

次回に続きます。

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