勝ち戦と驕りと引き締めと

ガチスとデンゲルは相変わらず混乱しています。

今まで、この2か国によって痛めつけられていたひだまりの国とその民にとってはうっ憤を晴らす絶好の機会でした。


広いひだまりの国の中にはそのうっ憤を晴らすかのようにSNSでもそのほかの媒体でもガチスやデンゲルの批判、悪口、軽蔑の表現が目立つようになりました。

地方政治も選挙、あるいは補欠選挙が開かれるたびにひだまり派の勝利の報告が多くなり多くのひだまりの民は盛り上がっていました。


こうした浮かれた状態を見て、コウメイたちひだまり組の者たちは仕方ないとは思いつつ釈然としない思いもありました。

もちろんコウメイをはじめ、ヒキコモリーヌも若手6人組も外敵の為に苦しめられてきました。


ある者は復讐を、ある者は正道を目指し、ある者は外敵にやられないために行動してきました。

それは初期のころから、それこそ必死になって戦ってきたのです。


しかし、旗色が明らかにひだまりに吹いたときから、明らかに勝馬に乗ったひだまりの民がいました。

ひだまりが外敵に取り込まれ滅亡の危機にあった時には静かに、あるいは外敵に協力していた連中が急に方針を変えたのです。


しかも、その中にはまるで最初から戦っていたかのように自分の立場を吹聴する者もいました。

当然そういう輩の多くはガチス人やデンゲル人に対して明らかに行きすぎな表現を使ったり行動したりしていました。


ひだまりの良識派でさえ、やりすぎと思う民族差別、デンゲル人テレスその仲間たちからすればとても容認できるものではありませんでした。

流石のテレスもこのSNSや巷であふれているデンゲル人への差別的扱いには声を荒らげて抗議しました。


少し前に述べた通り、ひだまりの良識派も明らかに質の悪いひだまりの民については悪感情と違和感を持っていたので、テレスの言葉を無下にはしませんでした。

コウメイたちはこの浮かれ奢っていたひだまりの空気を少しでも抑えるために若手官僚たちと会議を行い、情報の共有と問題を悪化させないための対策を立てる事を決めました。


しかし、これが順調にはいきませんでした。

その様子は次回に詳しく描きます。

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