正義は色あせる?
もはや、カモフラージュする必要もないかも知れませんが、今までの惰性というか名残というか、アイドルオタクが集まる会議室という名目で借りている会議場でひだまりの将来を担う若手官僚たちとコウメイ、ヒキコモリーヌ、テレス、そして若手6人組が一堂に集まりました。
ヒキコモリーヌが議題を紹介します。
まず、テレスたちデンゲル人による反ひだまり派の調略についての説明と了解についてです。
この説明をしている時、ヒキコモリーヌたちは違和感を感じました。
デンゲル人という言葉を聞いた時点で明らかに様子がおかしい官僚が一部いました。
その様子を見て、ヒキコモリーヌは急遽台詞を変更して、手短にこの話題を終わらせました。
そして、テレスから苦情のあったデンゲル人に対するひだまりの民の一部に起きている行き過ぎた憎悪表現について触れることにしました。
これに関しては若手官僚たちも知っている者が多く、しかし知ってはいても無関心という感触でした。
ひだまりの正義のために勇気をもって立ち上がった若手官僚たち、しかし、SNSなどの世間の空気の影響か、この件に関しては持ち味の正義感はほとんど発揮されませんでした。
人は負けていると優しくなれる、しかし、勝ちに乗じると心に傲慢さが生まれる。
古今東西、よくあることです。
しかし、今、現実にその様を見て特に若手の6人は何か気持ちの悪いものを感じました。
ここでコウメイが発言します。
彼はデンゲルが圧倒的優勢だったころから、ひだまりの民と共に戦ったデンゲル人テレスたちの活躍と彼らの想いについて時に情熱的に、時にとくとくと言葉を発していきました。
若手官僚たちの中にもまだ良心が残っていたのか、コウメイの発言を聞いて関心を取り戻す者、デンゲル人の立場に立って思いをはせる者、目を覚ましたかのように若手官僚たちの多くは関心を取り戻しました。
その様子をテレスをはじめデンゲルの人々は複雑な表情で見聞きしていました。
さて、仕切り直しです。
もう一度ヒキコモリーヌが発言をします。
次回に続きます。
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