デンゲルの希望
デンゲル人テレスが長いコウメイの話とその後のSNSなどの対話と通じてのガチスとデンゲルに今なおつく人々に目を覚ましてもらうべく相談の話が乗りかかった時に意見を述べようとしました。
テレスから見た場合、確かに民族主義的な憎悪ではなく、仲間のために情報を流そうというコウメイたちの話は悪ではありませんでした。
しかし、今の現状と外国の悪意という事実ゆえにある程度はやむを得ないとはいえ、このままではデンゲル人として素直に協力するわけにはいかない、そう彼は感じていました。
「コウメイたちがひだまりの先のことを考え過去の遺恨に囚われない、それは良いことです、ですがこれはひだまりの民だけの話となっています、私はデンゲル人です!デンゲルの未来のためにやりたいことがあります!」
いつも控えめなテレスが語気を荒らげて発言したので、ひだまりの仲間たちの中でも少し驚きがありました。
テレスは少し時間を置き、冷静になってから言葉を続けます。
「皆さんのこれからやろうとすることに口を出すつもりはありません、ただ、ガチス、デンゲル派の中で特に意思の固い者については私たちデンゲル人にある程度まかせてもらえないでしょうか」
「ガチスとデンゲルが混乱するとしてもその後のことを考えることも大事ではありませんか?ひだまりの皆さんが争いの後を綺麗にまとめたいというのであれば、ガチスやデンゲルについても同じ思いを持ってもいいのではと思います」
つまりテレスは敵対的なガチス、デンゲル派のひだまりの民をひだまり派だけにするのではなく、将来の新生ガチス、デンゲルにおいてひだまりとつながりを持てるようにしてはどうか?
という提案をしたのです。
これはかなり深い提案である、コウメイとヒキコモリーヌは思案にふけりました。
会議も長くなってきたので少し考える時間が欲しい、そう二人はテレスに言いました。
ひだまりの民の多くがデンゲルの内部の混乱を本音の部分では歓迎している中で、テレスは混乱の後に希望を持てるように準備をしたいと考えていました。
彼がデンゲルの希望の星となるのか否か、それはしばらく後になって判明します。
そして、コウメイとヒキコモリーヌはテレスの発言について意味深な相談をします。
その内容は次の話で紹介します。
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