ちょうかつになるな!その15

もしもガチスやデンゲルがひだまりの国を占領したらどうなるか?

この疑問をいろんな形にしてSNSなどで拡散する!

これがコウメイの地味な提案でした。


SNSでは昔からガチスやデンゲルの悪口雑言が並べられることがありましたが、これらは民族差別的ということで過去の「デンゲル法」による処罰対象となっていました。


ゆえにSNSで多くの人が処罰され、その結果一時期言論の自由が完全に封鎖される事態になりました。

悪名高い「デンゲル法」がなくなった後、この差別的な表現は今までの不満の鬱積もあり方々で見ることになりますが、あまり影響はありませんでした。


「デンゲル法」は確かにひだまりの民の口をふさぎ、デンゲル人の悪行を広めない目的という悪意がありましたが、その法のおかげで民族差別的な表現に距離を置く一般のひだまりの民は多かったのです。


加えて、コウメイが指摘したように、勝利に沸いてガチスやデンゲルを悪く言う者たちの中にはまるで彼らが批判したそれら外国人と同じような行動で暴れ回る者たちがいました。


そうした様子を見て、今までの不満を発散させていると肯定的に見る人々もいましたが、眉をしかめるノンポリ層も多くいたのです。

コウメイはそうした差別的、人を見下す表現ではなく、現実の社会、一般人を対象にもし外国に占領されたらどうなるかという問題提議をしようとしたのです。


ここで注意点ですが、コウメイ自身は差別的な表現もそれを行う人々も内心嫌悪していましたが、一方でこうした人々がガチスやデンゲル相手にその身を削って戦ってきた事実も見逃しませんでした。


ゆえに、よほどひどい表現や犯罪ではない限り、そうした表現の自由などについては敢て触れないという方針も併せて仲間たちに説明しました。

とても残念な現実ですが、優等生だけの組織では世の中を正すことは出来ません。


もちろん敵がいなくなり、平和になればそうした差別的問題や暴力的問題に本格的に対処する必要がありますが、今はガチス、デンゲル両勢力の支持者たちがいまだひだまりの国で力を保っているためその時ではないとコウメイは判断していました。


この策の詳細については次回さらに説明します。

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