世界の混乱とひだまりの地方議会その8

コウメイが頭の奥で意識していたお金の問題、ついにその点について着手できる環境が整いつつありました。

ざっくり条件は二つ。


1つは地方議会で多数派を占める事。

もう一つはその地方議員がコウメイの考え、あるいはお金の流れについてのしっかりした意識をもっていること。


そして、1つ目の条件をクリアーし、二つ目の件についてこの場で知らせ、浸透させたい!

コウメイはそのように考えていました。


お金の流れの中で特に重要、あるいは大きな金額が動くのは地方議会の予算案です。

そして、今まではガチスやデンゲルの息のかかった議員たちのやりたい放題でした。

そこにメスを入れることが極めて大事だとコウメイは見ていました。


そこで、まず地方の予算の内、中央と地方の両方の敵議員たちのキャッチフレーズとなっている言葉に着目し、それに連なる予算を特定し、さらにはその予算額と人員の規模を調べることにしました。


すると、環境、人権、教育、広報などの分野において多くの予算が費やされていることが分かりました。

ついで、その予算の実態について中央の若手官僚や相談に来ている地方の人々からその実情をヒアリングしました。


すると、やはりと言うべきでしょうか、表看板の美しさや立派さとは異なり、特定の業者にお金が流れるような仕組みと、申し訳程度の報告書に書かれた薄っぺらい実績があるだけでした。


素人から見れば、何となくよさげなお題目に目玉が飛び出るような沢山の予算が投入され、しかもその成果というものがほとんどなくお金だけが霞みのように消えていった実体が見えてきました。


さらに調べて見ると、そのお金の流れが仲間内だけに回っており、ガチスやデンゲルの仲間以外の市民たちにはほとんど恩恵がないという姿も明らかになりました。

このような事が続いていたらひだまりの地方が疲弊するのもムベなるかな、予想していたとはいえコウメイたちはため息をつきました。


さて、呆れと怒りがまじりあった空気の中、ひだまり中央の人々はどのような提案を地方の議員たちに行うのか。

次回を楽しみに、でも少し心に余裕を持ってご覧ください。

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